CO2&H2からSAFを製造/OXCCU

SAF

OXCCUは現在Nesteなどを筆頭に急成長を遂げている持続可能な航空燃料(SAF)業界におけるスタートアップ企業である。

同社は、通常のSAFのアプローチである、廃食油や森林残渣からSAFを製造するのではなく、二酸化炭素と水素を、鉄を主成分とする独自触媒と反応させることで、1stepでSAFに変換することを想定している。

様々な燃料製造における業界標準である2ステップのRWGS+FT合成と比較した場合、ジェット燃料領域における、SAFのコストを大幅に削減することが見込まれる。

OXCCUのSAF製造プロセス

このプロセスにより、CO2排出量という観点では、燃料使用による排出量増加と合成時の消費量により、カーボンニュートラルに近いプロセスが実現可能となる。

また、OXCCUの説明では、このSAFは顧客のニーズに合わせることが可能であり、既存のプロセスに組み込むことができるため、各オペレーションに最小限の変更を加えるだけで済む予定である

2050年までにネット・ゼロ・エミッションを達成することを目指すOXCCUは、SAFの開発を加速するため2023年6月に1800万ポンドのシリーズA資金調達を完了した。このラウンドはClean Energy Ventures(US)が主導し、投資家のAramco Ventures、イタリアのエネルギー企業Eniなどが投資参画した。

SAFを活用した飛行機のイメージ写真

CTOには有名な触媒関連の化学者が参加するなどのチーム構成を実現した、オックスフォード大学からのスピンアウトベンチャーであり、今後も積極的な資金調達と共に拡大が見込まれる。さらにOXCCUは独自の触媒技術を活用し、SAFだけでなく、「Biodegradable plastic」(生分解性プラスチック)にもチャレンジしている。

EUは最近、2025年、2030年、2035年、2050年までに、ジェット燃料にそれぞれ2%、6%、20%、70%のSAFを混合することを義務付ける規制を可決した。 このような流れを受けて、SAF業界の拡大は確実である。その中で航空会社にとっての最大の課題は生産量とコストであったが、両方に対するソリューションになりうるOXCCUの技術は業界に対するブレークスルーになるかもしれない。

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